僕は流行りのものが苦手だ。
何かを購入するときは特に。
なんというか、自分の意志を反映しにくいというか、”流行り”のものを購入するときは能動的ではなく受動的に選んでしまっている気がしてしまうのだ。
僕の好きな腕時計の世界にもやはり流行りはある。
ブランド、サイズ、カラー、ジャンル、etc...
その中でも今回話したいのは文字盤のカラーだ。
腕時計においてオーソドックスな文字盤のカラーは、ホワイト、ブラック、シルバー、シャンパンゴールドなど、モノトーンのものが多い。
逆にモノトーンではないオーソドックスなカラーは、深めのブルーくらいで最近になってそこにグリーンが加わろうかとしている。
そんな文字盤のカラーにおいて昨今では”アイスブルー”というカラーが流行っている。
有名なものでいえばコスモグラフデイトナのアイスブルー文字盤などが挙げられる。
昨今ではどのメーカーの時計にも一本はこのアイスブルー文字盤がラインナップされているといっても過言ではないくらい、新作登場時にはおなじみのカラーとなっている。
そのくらい定着しているし、聞いた話によると人気もすごいらしい。
今まではあまり注目されていなかったモデルでさえ、アイスブルーがラインナップに加わると問い合わせが殺到するらしいのだ。
そのため新色にアイスブルーが加わると、天邪鬼な僕は「あー、はいはい、またアイスブルーね」「アイスブルーだから人気なんだろうなあ」という偏見をしてしまう。
この考え自体がそのモデルに対する冒涜に近いのかもしれないが、やはり僕はそういう目で見てしまう。
そんなこともあり僕はアイスブルーの文字盤がはっきり言って嫌いだ。
しかし
そんな僕でも気になって仕方がないアイスブルー文字盤の時計がある。
それは「BR 05 GMT スカイブルー」である
なんて爽やかでこの時計にマッチした色なんだ...
これが僕がこのモデルを初めて見たときの率直な感想だ。
先ほど述べた偏見のせいで色眼鏡をかけてしまい、トータル的なデザインを考えないでスルーしてしまうようになってた。
しかしこのモデルに限ってはまず最初にデザインにくぎづけになった。
初めて見たのはインスタでの広告だったか、僕はしばらくの間何も考えずに見ていたと思う。(今考えると完全に惚れ込んでしまっていた)
都会的なデザインのBR05にGMTというビジネスマン的な機能。いかにもアーバンウォッチである。そこに都会の青空のようなカラー。
都会のオフィス街に立ち並ぶ高層ビルたちが、目いっぱい青空をガラスに写しこんでいる...そんなカラーだと思った。
夏の田園地帯の青々としたどこか懐かしくも感じるような青とはまた違う、都会的で、旅行に持っていきたくなる、無機質で爽やかな青が僕の目には魅力的に映っているのだ。
もしかすると、今僕のなかでビル風のような力強い風が僕の偏見を吹き飛ばそうとしているのかもしれない。